トピックス&コラム

[施設園芸 ] キュウリ カルスNC-R施用事例

平野さんは、1990年まで臭化メチルやDDで土壌消毒をしても、ひどい時に
はマルチシートが盛り上がるほどの根コブセンチュウに悩まされていました。
カルスNC-Rと一緒に生の有機物を大量施用することへかなりの抵抗を感じな
がら、根本的な「土づくり」に取り組むという決意をして、全面的なカルスNC-R
の使用に踏み切りました。
越冬作の前に、チップやバークの入った牛糞生堆肥を反当12~13トンと
生モミガラ1,500kgをカルスNC-Rと共にすき込み土中発酵させている。
大量の生の有機物を微生物のエサとしてやっても、発酵障害を起こすことなく
ダイナミックな土壌改良を行っています。
「収穫が終わって根を引き抜いてみたが、根コブは小指の先ほどの小さなものが
見られる程度で、キュウリへの被害はなく根張りの状態もすばらしい」との話です。
現在では年に2回、全てのほ場にカルスNC-Rを施用していて、土壌消毒処理は
一切行っていません。
カルスNC-Rと有機物・基肥の使用量(10a当り)
                     カルスNC-R 60kg
牛糞生堆肥(チップ入り) 12~13トン
生モミガラ 1,500kg
米ヌカ 240kg
硫安 40kg
リン酸分(有機質) 120kg
鉱物性・土壌改良資材 300kg
過リン酸石灰 40kg
その他の肥料 60kg
<施用時期:9月中下旬>
上記内容の土づくりを行った後、10月10日頃までに定植し収穫が終わるのは
4月の初中旬まで。微生物の働きにより、肥料の吸収バランスも良く樹が暴れる
ことはありません。葉色は淡く仕上がり、実の曲がりも少ないようです。
また、収穫後期の春先になっても樹勢は衰えず、キュウリの皮は堅くならずに美
味しいと市場でも大評判だそうです。現在「カルス農法」による農産物として、付加価値を高めて流通されています。