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注目を集める「土壌還元処理法」と「嫌気性微生物農法」

最近、連作障害対策の一つとして「土壌還元消毒法」が先進的な農家の間で注目を集めています。
太陽熱消毒の温度が上がらない地域や時期に薬剤に依らない土壌消毒方法として期待されています。
 この「土壌還元消毒法」とは北海道の道南農試が開発した処理方法で土壌にフスマを1t程度散布、耕耘した後に、たっぷりと潅水して被覆するという方法です。
 有機物と水分をあたえることで土中のバクテリアを活性化して土壌中の酸素を奪い還元状態(嫌気状態)にすることでフザリウムなどの好気性菌やセンチュウを死滅させる目的で行なわれます。
一方、弊社の「カルスNC-R」をはじめとする微生物資材は、その一般的な使用方法として、生の有機物(ワラ、モミガラや敷料の豊富な畜糞など)を直接本圃にすき込み、微生物の働きを活かして嫌気状態での発酵を促すというものです。
土中堆肥化・土中ボカシという、有機物を本圃の土ごと発酵させる農法を、弊社では「嫌気性微生物農法」と称しています。
 生・未熟の有機物をすき込む農法=「嫌気性微生物農法」を20余年前に弊社が提唱してから、今日に至るまで全国の篤農家の間で数多くの実践を積み重ねてまいりました。
本圃で微生物を最大限働かせるためには、エサとなる有機物を生のまま土中に投入して、土壌中で増殖させることが有効である、という視点から始まった弊社の「嫌気性微生物農法」は、従来常識とされていた好気性菌によって圃場外で発酵を済ませた完熟堆肥を施用するのとは全く異なる効果を導き出してきました。
弊社の「嫌気性微生物農法」は、新しく開発された技術である「土壌還元消毒法」と出発点こそ異なりますが、生の有機物と微生物を利用するという点では重なるところも多く、長年の篤農家での実績に裏打ちされ、更なる進歩の段階に入ってきているようにも思われます。