映像でサクッと確認したい方はこちらの動画をどうぞ!

捨てればゴミ、活かせば資源。
こんにちは 。土づくりアドバイザーの隼斗です。
このチャンネルでは栽培における土づくりの重要性や初心者の方にも分かりやすい内容をお届けしています。
今日は「腐植」とそれを促進する「腐植酸資材」について解説していきます。

「土づくりは堆肥を入れないとダメだよ」って言われるじゃないですか?でも、家庭菜園に何十kgもの堆肥を投入するなんてすごい大変だと思うんですよね。

わかるわかる。堆肥って重たいし、車で運ぶのも大変だよね。このチャンネルでは前から「土づくりは堆肥がマスト」と言ってるし、皆さんそう思われていると思うんだけど、実はもう堆肥、入れなくてもいいんだよ!

ええ!どういうことですか?

大量の堆肥を入れなくても土づくりができる資材があるんだよ。実は堆肥の中には「腐植」を増やす目的がある。
腐植とは?

そもそも、腐植ってなんですか?

腐植というのは、簡単に言うと有機物の最終形だね。 落葉、稲わら、根っこ、籾殻、植物の残さ、堆肥の中の有機物を、微生物が時間をかけてじっくり分解していくと、最後に黒いものが残る。それが腐植なんだよ。

なるほど。なんとなく分かってきました。

腐植は、スポンジみたいに栄養や水分を溜め込む力もあるし、保肥力(肥料の持ち)を良くしてくれるんだよ。植物が必要な時にはそれを少しずつ放出してくれる。腐植が多い土ほど肥料の持ちがいいというわけ。

腐植が多い土=良い土という感じなんですね。じゃあその腐植ってどういうふうに増やしていけば良いんですかね?

普通は堆肥なんだけど、今日紹介したいのは「腐植酸資材」なんだよね。これは自然界にある腐植の力を凝縮して使えるようにした資材のこと。堆肥を大量に入れなくても短期間で腐植の効果を再現できるんだよ。

堆肥の代わりに腐植酸を入れて腐植を補うってことですね。めちゃくちゃ合理的ですよね。

そうだよね。そして腐植や有機物が土に足りているかどうかというのは、実は土の色を見ればざっくり判断できるんだよね。

土の色ですか?例えば土の色がちょっと赤っぽいのって、これ関係あったりするんですか?

赤っぽい土というのは、実は有機物が少ない証拠なんだよね。有機物が少ないと腐植も少ないから、赤っぽく見えるんだよ。
一方で、黒くてフカフカの土は腐植がたっぷり含まれているということ。山で見るような土は黒くて柔らかい。これは腐植がたっぷり含まれているからなんだよ。あの状態こそ植物にとって理想的というわけ。腐植が土に多いか少ないかで、畑の力は全く違ってくるんだよね。
腐植が多い土は、肥料を捕まえて逃がさないような力、いわゆる保肥力がある。これを専門用語でCEC(陽イオン交換容量)と言うんだよね。

CECですか?もうちょっと初心者向けに説明してください。

すごく簡単に言うと、CECとは土が栄養をどれぐらい貯金できるかという数字だと思っておいてほしい。
CECが高い土というのは、人間に例えると胃袋が大きいみたいな状態。窒素やカリみたいな栄養をたっぷりストックしておいて、植物が欲しい時に少しずつ渡してくれるんだよ。

CECが高いってことは、肥料が長持ちするということなんですね。

そのとおり!逆にCECが低いと胃袋が小さいから、せっかく肥料を入れたとしても雨が降ると流れてしまうし、植物が吸収できずに無駄になってしまうんだよね。

肥料をどんどん与えても効かないってことですよね。

肥料切れが早い土というのは、大抵腐植が足りていない証拠。腐植がしっかり入っている黒い土というのは肥料の効きが長持ちして、植物にじわじわ効いてくれる。
だから黒い土はいい畑って、農家さんの間では昔から言われてるんだよね。

でも、その腐植ってどうやって土に増やしていくんですか?

一番わかりやすいのは、堆肥を入れること。あとは落葉とか作物の残さなどの有機物を入れると、微生物に分解されて腐植がちょっとずつ増えてCECも上がってくる。
ただし、堆肥の中に入っている腐植酸成分は、平均でもたった1%とか2%ぐらいしか入っていないんだよ。

え、少ないですね!じゃあ、しっかり腐植酸を増やそうと思ったら、ものすごい量の堆肥が必要になるということですよね?

そうだね!だから農家さんはトラック単位で堆肥を畑に入れているんだよ。でも家庭菜園や市民農園でそれをやるのは現実的じゃないよね。

いや、もう無理ですね!20Lの堆肥袋を運ぶだけでひいひい言っちゃいます(笑)

そこで登場するのが腐植酸資材なんだよ。これは堆肥の中で有効成分だけをギュッと濃縮したようなもの。堆肥を100袋入れたのと同じくらいの腐植を、ほんの数kgで補えるんだよ。
しかも軽いから家庭菜園でも扱いやすいというのもメリットだよ。堆肥を減らしても土の力は落とさない。これからの時代の土づくりにもぴったりな資材なんじゃないかな。
腐植酸資材アヅミン


堆肥の代わりに腐植酸を入れれば最強じゃないですか?

そうだよね。そこで腐植酸資材の定番であるアヅミンという資材があるんだよ。これは腐植酸を40%から50%も含んでいる特殊な資材なんだよね。

ええ!50%も含んでるんですか?さっき堆肥には平均して1%から2%しか入ってないって言ってましたもんね。

そうだよね。つまり堆肥1t相当の腐植酸を、30kgとか40kgのアヅミンで補給できるということ。
だから家庭菜園や市民農園のように堆肥を大量に持ち込みにくい場所では、とても心強い資材なんじゃないかな。

めちゃくちゃ便利そうですね!

腐植酸資材のメリットは大きく3つあるから順番に解説していくね。

まず1つ目は、今回のテーマでもあるCECを大幅に高めてくれるんだよ。つまり保肥力をアップしてくれるということ。そうすると肥料の持ちが良くなって、栄養が雨で流れにくくなるんだよね。

せっかく高い肥料を買っても雨で流れたりとかしたら全く意味ないですよね。肥料代の節約にもなるってことですか?

そういうこと。特に日本は雨が多いから栄養が流れてしまうことが大きな問題なんだよね。
たとえば化成肥料だと、せっかくまいたのに30%〜50%は雨で流れて抜けていってしまうし、カリも20%〜40%は流れてしまうんだよ。
だからアヅミンを入れることで肥料ロスを減らせるのは大きいよね。

他にはどんなメリットがあるんですか?

2つ目はリン酸の固定化を防ぐということ。
実はリン酸をまいても7割から8割ぐらいは土の中で固定されてしまって、植物が吸えない形になっているんだよ。だからせっかく入れたとしてもなかなか効かないというわけ。

じゃあリン酸に関しては流亡しちゃうというよりも、吸収されずに土の中で眠ってしまうのが問題なんですね。

まさにそういうこと。そこで活躍するのが腐植酸。腐植酸はキレート作用っていって、栄養を植物が吸収しやすい状態に保つための働きをしてくれるんだよ。
リン酸や鉄・亜鉛みたいなミネラルって、そのままだと土の中で別の成分とくっついて固まって、使えない栄養になってしまう。
でも腐植酸がそれを事前に包み込んで守ってくれることで、植物が吸いやすい形のままキープしてくれるんだよ。だからリンが土の中で眠らずに、植物が使える状態を長く保てるというわけ。アヅミンとか腐植酸資材を入れると肥料の効率が大幅にアップするんだよ。

肥料の効きが長く続くって、まさに理想ですよね。

さらに、アヅミンには根を活性化させる働きもあるんだよ。特に細かい根が増えることで、吸収できる栄養と水の量が大幅にアップするんだよ。

つまり、吸い上げる口が増えていくイメージなんですか?

そう!しかも、腐植酸には植物ホルモンに似たような作用を持つんだよ。だから根の伸びが良くなったり、初期生育がスムーズにいったりするんだよ。特に苗を植えたばかりの時期には効果を実感しやすいんだよ。

苗を植えた直後って根がなかなか張らずに枯れちゃうってことも結構ありますよね。それが防げるならすごい助かりますよね!

実は、これまでアヅミンって農家さん向けの20kg袋しかなかったんだよ。しかも取り扱っていたのは全農さんが中心だから、家庭菜園レベルではなかなか手が出しづらかったんだよね。

いや、そうですよね。たしかに20kgって家庭菜園だと結構多いですよね。

そこで最近、家庭菜園専用の1.8kgタイプが新しく出たんだって!
しかもこれ、1㎡あたりに100gとか200gぐらいが目安だから、1.8kgでおよそ9㎡〜18㎡(10〜20㎡くらい)に使えるんだよ。
家庭菜園とか市民農園、まさにちょうどいい量なんだよね。

3〜6坪って言ったら、市民農園の一区画サイズですよね。しかも堆肥みたいに重量もそんなにないから持ち運びも楽そうですしね。

そのとおり!軽いし、女性でも扱いやすいんじゃないかな。堆肥の代わりになる資材というと大げさかもしれないけど、これなら限られたスペースでも土をレベルアップできるということ。市民農園とかで楽しまれている家庭菜園の方には特におすすめだね。
使い方と注意点

実際に使う時は、何か意識しておくと良いことってあるんですか?

アヅミンは濃縮された腐植酸資材だから、ドカッと入れすぎる必要はない。目安としては1㎡に100g〜200gぐらい、薄く均一にまいて耕すぐらいで十分だよ。

たくさん入れたら効果もたくさん出るというわけじゃないんですね。

入れすぎても効果が倍になるわけではないし、コストも無駄になってしまう。大事なのはまんべんなく均一に混ぜ込むこと。
ムラがあると、その部分だけ根の伸びが良くなったり、肥料の効きとかに差が出ちゃうんじゃないかな。

じゃあ、アヅミンを土の中に入れれば、もう完璧な土になるってことですか!?

いや、そういうわけじゃない。たしかにアヅミンは腐植酸資材で、CECを高めて保肥力を高めてくれる。でもそれだけじゃ完璧な土とは言えないんじゃないかな。和田くん、良い土の3つの条件って何だったっけ?

これは前の動画でもしっかり勉強しましたよね。物理性、生物性、化学性です。

そのとおり!物理性・生物性・化学性、この3つが揃って「いい土完成」って言われているんだけど、アヅミンはその中でも化学性(特に保肥力)を担っている。だから腐植酸だけでは満点にはならないんだよ。

では、何を足せば、その物理性・生物性・化学性の拍子が揃った状態になるんですか?

役割分担で考えてみよう。
物理性は土の「硬さ」「水はけ」「水持ち」「通気」など。これは完熟堆肥とか落葉とか、有機物を入れることで改善できる。
生物性とは微生物や小動物のこと。堆肥もそうだし、微生物資材(カルスNC-Rとか)で土の中の微生物を豊かにできる。
化学性は肥料とかpH(酸度)の調整。ここをアヅミンで底上げできるというわけ。
この3点をしっかり守れば、大幅に土壌改良できること間違いなし。農家さんの現場でも、腐植酸資材と微生物資材を使って、めちゃくちゃ収量を上げている人が多いよ。
カルスNC-Rみたいな微生物資材だけでもダメだし、アヅミンだけでもダメ。微生物資材と腐植酸資材の併用で、無限大な可能性があるということ。
本日のまとめ


CECというのは人に例えると胃袋。CECを増やすために腐植というのがあって、腐植が多い土ほど黒くてフカフカ。肥料の持ちもいいし、植物が健康に育つよ。一方で赤っぽい土は有機物が不足していたり、腐植が足りていない証拠だから、土壌改良に力を入れていこう。
堆肥も土壌改良資材の定番だし使ってほしいんだけど、どうしても量が多すぎて扱いにくい時は腐植酸資材を使うのがいいんじゃないかな。
堆肥には腐植が平均で1%とか2%しか含まれていないんだけど、腐植酸資材のアヅミンは約50%も含まれている。堆肥1t分の腐植成分を30〜40kgのアヅミンでできるから、めちゃくちゃ効果的。市民農園や家庭菜園で堆肥を大量に運べない環境でも特に役立つよ。
注意点は3つあって、
1つは入れすぎ。
2つ目はムラ。
3つ目はアヅミンだけに頼ってしまうこと。
入れすぎても効果が倍になるわけでもないし、ムラがあると土壌環境にもばらつきが出てしまう。アヅミンはあくまでも保肥力の底上げだから、物理性と生物性の改善も忘れずにやってください。
このYouTubeチャンネル「隼斗の土づくり教室」では栽培における土づくりの重要性や、農業関係者の方にも分かりやすい内容をお届けしています。皆さんの栽培におけるお悩みごと、それを解決できる一助になれば幸いです。それではまた次回の動画でお会いしましょう。
この記事の内容をより詳しく、プロの解説付きで視聴したい方はこちら。チャンネル登録もぜひお願いします!