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化成肥料の値上げ・価格高騰はなぜ起きた?今後の見通しや対策方法も解説します

化成肥料の値上げ・価格高騰はなぜ起きた?今後の見通しや対策方法も解説します

ここ数年、多くの農家の方から「化成肥料の値上げが止まらない」「前年の倍近くの価格になり、経営が厳しい」という悲痛な声を耳にします。肥料代は経費の中でも大きな割合を占める支出のひとつで、価格高騰が続くと農業の存続そのものが難しくなってしまいます。しかし、国際情勢の悪化や円安の影響が続き、値下がりの兆しはほとんど見えていません。

この記事では、化成肥料高騰の背景と今後の見通しを解説しつつ、肥料に依存しすぎないための土づくりと微生物資材を活用した対策まで詳しく紹介します。

この記事のポイント

  • 化成肥料の価格高騰は一時的なものではなく、国際情勢の影響で長期化が確実視されている。
  • 過去数年の肥料価格は高止まりしたまま推移しており、今後も上昇傾向が続く可能性が高い。
  • 肥料価格が上がると農業経営に直結するコストが増えるため、早めの対策が必要であること。
  • 「肥料を安く買う」のではなく、「肥料の使用量を減らす」という発想が、長期的なコストカットに最も効果的。
  • 土づくりや微生物資材の活用により、肥料効率を高め、結果として肥料コストを削減できる。

化成肥料の価格高騰、気付いていますか?

多くの農家の方が、ここ2~3年の肥料価格の高騰を肌で実感されているはずです。特に2022年秋以降、化成肥料は過去に例を見ないほどの値上げとなり、多くの農家が悲鳴を上げました。その後も大きく値下がりすることはなく、高止まりが続いています。

どれくらい値上げしたのか」「今後どうなるのか」を理解することは、今後農業を存続させていくためにも非常に重要です。まずは、価格がどの程度上昇しているのかを確認しましょう。

肥料価格の値上げ幅

データの出典:https://www.zennoh.or.jp/press/release/index.html

令和2年度の秋肥(基準値100)と比較すると、肥料価格は令和3年度以降、継続的に値上げが続いています。具体的には、令和4年春肥(令和4年11月~令和5年5月)は過去最高レベルの価格指数を記録。さらに令和4年秋肥では、前期比でも大幅な値上がりを示し、多くの農家に衝撃を与えました。

令和5年度には一時的に値下がりが見られましたが、その後ふたたび上昇傾向に転じ、結果として令和2年度の水準を下回った時期は一度もありません。肥料価格は安くなるどころか、「高い状態が当たり前」という新しい価値観に切り替わりつつあるのです。

肥料価格、今後の見通し

最新の発表(JA全農「令和7肥料年度春肥」)では、2025年11月〜翌5月の複合肥料の価格が、同年前期(6〜10月)と比較して4.3%値上げとなる見通しが示されています。これは、依然として高止まりが続くだけでなく、さらに値上がりが進んでいることを意味します。

国際情勢が不安定な現在、今後「大幅な値下げ」はほぼ期待できません。それどころか、予測不能な追加値上げに備える必要があります

化成肥料の価格高騰はなぜ起きた?

化成肥料の価格高騰はなぜ起きた?

ここからは、化成肥料の値上げを引き起こしている根本原因を考えていきましょう。

肥料の輸入依存の背景

日本の肥料自給率は極めて低く、特に窒素・リン酸・カリといった主要原料のほとんどを海外に依存しています。農林水産省の資料でも、日本の肥料原料はほぼすべてが輸入に依存していることが明記されており、国際情勢の変動が価格に直結しやすい構造になっていることを意味します。

輸入依存が高いため、海上輸送費の高騰、取引先国の政治不安、国際的な制裁、物流網の寸断など、あらゆる要因が日本の肥料価格に影響を及ぼします。国内の努力だけでは価格をコントロールすることが難しい状況にあり、これが急激な値上がりと高止まりにつながっているのです。

国際社会の情勢悪化

中東地域の緊張(イスラエル・パレスチナ問題)や、ウクライナ紛争が、世界の物流とエネルギー市場を混乱させています。特にロシアは窒素系肥料の主要供給国であり、経済制裁により輸出量が大きく減少しました。また、紛争地域を通る航路の安全確保が難しくなり、輸送コストは跳ね上がっています。

こうした不安定な状況は世界全体に波及し、海外取引の価格にも大きな影響をおよぼしています。政府やジャーナリストでさえ先行きを予測できないほどの不透明感が強まっており、今後さらに国際情勢が悪化する可能性も否定できません。輸入依存の日本では、その影響が肥料価格に直結します。

関税と為替相場の不安定化

肥料価格の高騰を考えるうえで「円安」も見逃せない要因です。2022年以降、円の価値が下がり続け、日本円で海外の原料を購入する際の実質負担が大幅に増えました。加えて、国際物流費の高騰が重なり、肥料の輸入価格は二重に押し上げられています。

円安が進む背景にも国際情勢が大きく関わっており、これもまた日本国内だけでは制御しにくい問題です。為替相場は日々変動し、輸入コストを押し上げる要因となっています。肥料価格は「円安」「物流高騰」という二つの要因に直撃し、高止まりが続いているのです。

化成肥料の値上げは予測がむずかしい

日本の化成肥料は海外依存が高いため、国際政治、紛争、エネルギー価格、為替、物流など複数の要素で価格が変動します。そのため、肥料価格の予測は非常に難しく、農家が来年の価格を見通して計画を立てることは残念ながら非常に困難です。値上げリスクが高いため、「安くなるのを待つ」のではなく、「値上げしても影響を受けにくい体質」へ変えることが求められます。

化成肥料の値上げは畑の経営難につながる

化成肥料の値上げは畑の経営難につながる

データ出典:農林水産省『農業経営統計調査令和5年農業経営体の経営収支報告書』
「表4 畑作経営の農業経営収支」
調査対象:農業生産物の販売を目的とする経営体のうち、耕地面積が30a以上の規模の農業など
https://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/noukei/einou/pdf/einou_23.pdf

肥料費は農業経営における大きな支出項目です。農林水産省の統計では、耕地面積30アール以上の農業経営体において、肥料費は全経費の約13%を占めています。これは、機械費・修繕費などに次ぐ大きな割合であり、価格が高騰すると経営に直結して影響します。

さらに、小規模農家や個人農家の場合、肥料費の割合はもっと高くなる傾向があります。機械のリース化や中古機材の活用など、他の経費は削減できても、肥料だけは代替が難しいです。化成肥料の値上げが続くと、以下のような深刻な影響が生じます。

  • 作付け量や作物の種類を変えざるを得ない
  • 経営規模の縮小
  • 利益率の大幅低下
  • 追加投資の余力がなくなる

今はなんとかまだ耐えられている農家でも、数年後には経営難に陥るリスクがあります。だからこそ、早めの対策が欠かせません。

どう実現する?肥料のコストカット策

どう実現する?肥料のコストカット策

ここからは、実際に肥料コストを削減するための具体策をご紹介します。

安い化成肥料に変えてみる

銘柄の異なる化成肥料に変えることで、一時的にコストを抑えることは可能です。しかし、「長年使い続けてきた肥料がある」「作物との相性が良い肥料を変えるのは不安」という声は非常に多いです。また、肥料を変更すると作物の生育に影響が出る場合もあり、結果として収穫量が落ちてしまうリスクもあります。

使用する化成肥料を変更するのは短期的には有効な選択肢ですが、長期的には根本的な解決策にならない点に注意が必要です。

化成肥料の使用量を削減する

新しい肥料に変えず、肥料代を削減する方法として有効なのが「化成肥料の使用量そのものを減らす」というアプローチです。ただし、ただ単に量を減らせば良いというわけではありません。肥料成分の多くは土に保持されず、雨などで流出してしまうため、結果的に作物に吸収される量は限られています。

つまり、肥料を減らしても作物が吸収できる環境を作ることこそが重要です。その鍵を握るのが「土づくり」です。保肥力の高い土であれば、肥料の流出が抑えられ、少量でもしっかり作物が栄養を吸収できます。この肥料効率の改善が、長期的なコストカットのもっとも現実的な方法です。

肥料価格高騰を乗り越える!化成肥料に依存しない土づくり

肥料価格高騰を乗り越える!化成肥料に依存しない土づくり

肥料の使用量を減らすためには、肥料効率を高める土づくりが欠かせません。では、具体的にどんな土づくりが必要なのでしょうか。

肥料効果を引き上げる土づくりとは?

土づくりの大きな目標は「保肥力を高めること」です。保肥力とは、土が肥料成分をつかまえておく力のことで、この力が弱いと、肥料は雨などの水分とともに流出してしまいます。

保肥力の高い土は「団粒構造」を持ち、水はけと水もちのバランスが良く、肥料成分を適度に保持できます。団粒構造を作るには、堆肥の投入や微生物の活性化が不可欠です。

土づくりの立役者!微生物資材をおすすめします

土壌改良において微生物は欠かせない存在です。微生物資材を使うことで、土中の分解が促進され、未熟な有機物を速やかに腐植化できます。また、微生物が分泌する物質によって土の団粒構造が強化され、保肥力が向上します。

さらに、有用菌が悪玉菌の増殖を抑えることで連作障害の軽減にもつながります。肥料の使用量を減らしても作物が育つ“効率の良い土”を作るためには、微生物資材の活用が非常に効果的です。

製品紹介:リサール酵産の複合微生物資材・カルスNC-R 10kg

リサール酵産の「カルスNC-R 10kg」は、堆肥化促進と土壌改良の両方に効果を発揮する複合微生物資材です。好気性・嫌気性を含む多種類の微生物がバランスよく配合されており、残さの分解を助けながら土壌の団粒形成を促進します。

特に、作付けと残さ処理を同時に進めたい方、化成肥料依存から脱却したい方におすすめです。作業工程を増やすことなく、畑全体の土壌環境を改善できる点が魅力で、家庭菜園から中規模農家まで、幅広く利用できます。

肥料価格の高騰に関するQ&A

国内外の情勢不安を背景に、農業経営を圧迫する肥料価格の高騰が続いています。国の支援策も実施されていますが、外部環境に依存するリスクは依然として存在します。

本Q&Aでは、肥料高騰への対策、削減したコストの活用法、そして、いま注目されている「土づくりによるコスト削減」の具体的な手法である微生物資材の導入について、皆さまの疑問にお答えします。攻めの経営への転換を可能にする、確実な対策を考えていきましょう。

Q1:国や農協は肥料高騰の対策として何をしているのですか?

A:令和4年6月~令和5年5月に購入した肥料を対象に、化成肥料低減の取組を条件とした助成制度が実施されました。しかし国際情勢は不安定で、今後も確実な支援が続くとは限りません。外部に頼るのではなく、土づくりによってコスト体質を改善することが最も確実な対策です。

Q2:肥料代を削減できたとして、その分の利益は他にどんなことに投資できますか?

A:肥料コスト削減で生まれた余力は、不安定な市況に備えた貯蓄、新作物への挑戦、省力化機械の導入、販路拡大など、攻めの経営に活用できます。

Q3:微生物資材を導入することで、作業の手間や時間は増えないのでしょうか?

A:微生物資材は残さに混ぜてすき込むだけで使えるため、手間は最小限です。むしろ、土壌分解を促進することで後々の作業負担が軽くなり、追肥の回数も減らせます。

まとめ:化成肥料高騰は土づくりで克服。コスト削減を実現し、安定経営へ。

まとめ:化成肥料高騰は土づくりで克服。コスト削減を実現し、安定経営へ。

化成肥料の価格高騰は国際情勢や円安など複雑な要因が絡み合っており、今後も高止まりが続く可能性が高い状況です。だからこそ、肥料代に依存しない「強い畑」を作ることが重要です。

土づくりと微生物資材を組み合わせることで、肥料効率を高め、使用量そのものを削減できます。長期的な経営安定のために、今こそ土の基礎体力を高める取り組みを始めましょう。

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