土づくり微生物資材を使えば全て解決!←全然そんなことはありません。。。結局大事なのは○○性が整った土にバランス良く菌がいるかどうかです!【家庭菜園 土づくり ガーデニング 土壌改良】

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隼斗の土づくり教室

映像でサクッと確認したい方はこちらの動画をどうぞ!

有機物が効くまでには必ず微生物による 分解の時間が必要になってくる。ここを飛ばして考えてしまうと、微生物とか土づくりは少しずれてくるかな。

捨てればゴミ、活かせば資源。
こんにちは。土づくりアドバイザーの隼斗です。
このチャンネルでは栽培における土づくりの重要性や初心者の方にも分かりやすい内容をお届けしています。

隼斗さん、これまでも「土の中の微生物が元気だと土が良くなる」という話は何度もしてきましたよね。でも最近、少し不思議に感じたことがあるんです。

生ゴミっぽい有機物や、まだ若い堆肥を土に入れたあと、ツンとしたにおいが出たり、土からガスっぽいものが出たり、苗の根が弱ったように見えたりすることって結構あるじゃないですか。「微生物って増やせば大丈夫」という単純なものではないのかもしれない、と感じ始めたんです。

おお、いい気づきだね!それはすごく大事な視点だと思うよ。
結論から言うと、家庭菜園でよくある失敗は、微生物が増えたことそのものが原因というより、微生物が動く過程で土の状態が崩れてしまうことが原因なんだよ。たとえば、土が酸素不足になったり、刺激の強い成分が一時的に出たりして、その結果として根っこに負担がかかってしまう。だから今回は、どんな状態の土が良い土なのかについてしっかり話していこう。

今日は微生物を増やす話をしないんですね。ちょっと意外です。

そうだね。いつもは「微生物を増やそう」という話をすることが多いけれど、今日はあえてそこではなく、微生物がどう働くのか、どんな条件でうまく働けるのかを解説していこう。

土壌微生物は、まず「分解者」である

土壌微生物って、そもそも何をしてくれる存在なんですか?これまでのおさらいも含めて、あらためて教えてください。

一番シンプルに言うと、微生物は分解者。つまり、分解を進める存在なんだよ。家庭菜園で使う堆肥、米ぬか、落ち葉、作物の残さ、有機肥料。こういうものは、入れた瞬間に野菜が直接そのまま栄養として吸えるわけではないんだ。

実際に植物が吸えるのは、無機イオンと呼ばれる形まで分解されたものなんだ。無機イオンというのは、植物が根から吸収できる状態まで分かれた栄養のことだね

有機物は、その形になるまでに必ず微生物の分解を経ている。そして、その形へ変えていく過程を担っているのが土壌微生物なんだよ。だから、有機物を入れたからといってすぐに栄養が効くわけではない。

有機物が効くまでには、必ず微生物による分解の時間が必要になってくるんだ。そこを飛ばして「有機物を入れたのに効かない」「微生物資材を使ったのに変化がない」と考えてしまうと、微生物や土づくりに対する見方が少しずれてくるかな。

じゃあ、微生物が土にいなかったら、有機物を入れても意味が出にくいということなんですか?

そうだね。かなり極端に言えば、効果は出にくい。
微生物の働きが弱い土に有機物を入れただけだと、それは原料を置いただけの状態になりやすいんだよ。料理で言えば、材料はそろえたけれど、まだ火を入れていないというイメージかな。だから微生物は、土づくりの中でもかなり重要な存在なんだ。

善玉菌だけの土は作れない

ここで押さえておいてほしいことがある。良い菌と、そうではない菌は、必ず一緒に存在しているということなんだ。

それは前の解説でも聞きました。でも、善玉菌だけの状態って作れないんですか?

自然界では、それは無理だね。善玉菌を増やして悪玉菌を減らしたい、という気持ちはすごくよく分かる。でも、実際の土の中はもっと複雑なんだ。分解に関わる菌もいれば、病気の原因になる菌もいる。競争に負けて目立たない菌もいる。そういうものが全部、同時に存在しているんだよ

大事なのは、悪い菌がいるかどうかではなくて、悪い菌が活動しにくい、暴れにくい環境になっているかどうかなんだよ。たとえば、未熟な有機物を一気にたくさん入れてしまったとか、水分が多すぎて空気が入りにくいとか、こういった条件が重なると、特定の微生物の働きが偏ってしまう。

その結果、ガスが出たり、根っこに負担がかかったりすることがあるんだ。このとき、微生物は多い状態でもあるんだけど、土の状態としては良いとは言えない

項目 健康な土 未熟な土
水分量・通気性 適度な水分・通気性◎ 水分過多・空気不足
有機物 完熟有機物(腐植) 未熟有機物の大量投入
結果 善玉菌が優勢
健康な根・病気になりにくい
悪玉菌増加
ガス発生・根への負担大

「微生物の数がたくさん増えている=良い土」というわけではないんですね。

微生物は数が多ければいいという話ではなくて、土の中でどんな菌が主役になっているかが大事なんだよ。

悪い菌がいるのは普通だし、悪い菌だけを減らす・なくす・殺菌することは無理。でも悪い菌ばかり元気になってしまうとにおいが出たり、根が弱ったり、病気が出たりしてしまう。だから、良い働きをする菌が優勢になる環境へ整えることが大事なんだよ

ポイント

  • 「微生物の数が多い=良い土」ではない
  • どの菌が「主役」になるかが大事
  • 悪い菌もいるのが普通。なくすのは不可能
  • 良い働きをする菌が優勢になる環境づくりを進めよう

微生物は見えない。だから「結果」で判断する

でも家庭菜園だと、微生物の状態なんて簡単には見えないですよね。

そうなんだよ。だからこそ、結果で判断してほしいんだ。たとえば、ツンとしたにおいが出ていないか、どぶのようなにおいが出ていないか、小バエが急に増えていないか、葉っぱは大きいのに、花や実がつきにくくなっていないか。こういうサインが出ているとき、多くの場合は「有機物そのものが悪い」とか「使っている微生物資材そのものが悪い」という話ではないんだよ。

原因として多いのは、土の状態の問題なんだ。たとえば、水分が多すぎて土が蒸れている、水はけが悪くて空気が入りにくい、微生物のバランスが崩れている。こうした状態だと、微生物は確かにいるけど、働きが弱かったり、働き方が偏ったりしてしまう。その結果として、悪い菌が優勢になって、においが出たり、小バエを呼んだり、葉っぱばかり育って花や実がつきにくくなったりするんだよ。

だから、排水性が悪いのか、有機物が多すぎるのか、肥料が多いのか、化成肥料を使いすぎていないか。そこを見たほうがいい。家庭菜園では、良かれと思って水や肥料を足してしまうことが本当に多いんだけど、それによって逆に土が生き苦しくなってしまうケースはすごく多いんだよ。

有機物で失敗するとき、土の中で何が起きているのか

ここまで聞くと、微生物は「とにかく増やせばいい」という考え方ではないのがよく分かります。有機物は土の中に入れたほうがいいとよく言われますよね。でも実際には、有機物を入れたことで失敗するケースも結構あります。あれは、土の中で何が起きているんですか?

そこは家庭菜園でも農家さんでも、一番つまずきやすいところだね。結論から言うと、有機物を入れすぎて、分解を受け止めきれる微生物が足りていないというケースが多いんだ。

でも、微生物ってもともと土の中に存在しているんですよね。

そう。土着菌は必ずいる。土着菌というのは、その土にもともといる微生物のことだね。ただし、「いる」ということと、「足りている」ということは別の話なんだよ。

有機物を少しずつ入れている分には、土着菌だけでも時間をかければ分解は進む。でも、未熟な有機物をまとめて入れたり、やわらかくて分解されやすい有機物を大量に入れたりすると、土着菌の処理能力を超えてしまうことがあるんだ。

キャパを超える量の有機物を入れてしまうと、分解が一部に集中してしまったり、途中で止まったりする。すると、ガスやにおいが出たり、根っこに負担がかかったりするわけだね。

微生物がいないからではなくて、追いつけていないんですね。

まさにその通り。ここで勘違いしやすいのが、「有機物を入れたら必ず微生物が分解してくれるはず」という考え方なんだ。

でも実際には、有機物の量と、微生物の処理能力とのバランスが崩れているから、分解しきれない。だから、有機物を入れること自体が悪いわけではないけれど、その量や状態、土の受け止める力を考えずに入れると失敗しやすいんだよ。

家庭菜園でよくあるのが、「良い」と聞いたからといって一気に有機物を足してしまう。そうすると、去年は良かった、今年は悪かった、逆に去年は悪かったけど、今年は良かったということが起こりやすい。土は前作の残り、水分量、気温など全部条件が違ってくる。だから、同じ量を入れたとしても、うまくいく年と失敗する年が出てくるんだよ。

微生物資材は「足せば解決」ではない

そういう経験をすると、「じゃあ、さらに微生物資材を足せばいいのかな」と思ってしまいそうなんですが、これはどうなんですか?

そう考える方は多いと思うよ。でも、微生物資材も足りないから足せば解決という単純な話ではないんだ。本来、微生物資材は分解の流れを助けたり、微生物のバランスを整えたりするために使っていくものなんだよ。だから土づくりは、有機物を大量投入するとか、いろいろな微生物資材を使うこと自体が目的ではないんだ。

そもそも大前提として、作物が健全に育つための土を作ることが先なんだよ。環境を整えた結果として、有機物の分解が進み、作物が健全に育てる状態になる。この感覚を持てるようになると、有機物での失敗は一気に減ってくると思う。

少し分かってきた人ほど、実は失敗しやすい

ここまで聞いていると、微生物って本当に奥が深いですね。逆に言うと、ちょっと分かってきた人のほうが失敗しやすいんじゃないかな、という気もしてきました。

そうだね。実は、一番トラブルが多いかもしれないのは、初心者を抜けたあとなんだ。知識が増えて、有機物や微生物資材も使い始めて、自分で土をコントロールしているという感覚が出てくる。その時期に、いくつか典型的な勘違いが起きやすいんだよ。

典型的な勘違いというと、どんなものがありますか。

まず一つ目は、微生物資材には速効性があると思ってしまうことだね。微生物資材メーカーの立場からあえて言うけれど、微生物資材を入れた翌週に葉っぱの色が変わるとか、生育が一気によくなるとか、病原菌をやっつけるとか、連作障害にすぐ効くとか、そういう反応を期待する方は多いんだよ。でも、微生物資材の多くは短期で結果を得るためのものではないんだ。

ここを勘違いすると、「効かない」「意味がない」という評価になってしまいやすい。でも実際には、土の中でゆっくり環境を整えている最中だった、というケースがほとんどなんだよ

速効性を求めると、評価を間違えてしまうことにもつながるんですね。

そうなんだよ。二つ目は、特定の菌に頼りすぎること。たとえば納豆菌がいいとか、乳酸菌がすごいとか、こういう情報はYouTubeでもネット記事でもたくさんある。でも、それだけを増やそうとするのは危ない。自然界では、一種類の微生物だけが強くなりすぎると、必ずバランスが崩れるんだ。

じゃあ、善玉菌だけをたくさん増やせばいい、という話でもないんですね。

そう。そもそも善玉・悪玉という区分自体が、人間目線なんだよ。ある環境では有益でも、条件が変わればトラブルを起こす菌もある。だから大事なのは、「どの菌か」よりも全体のバランスなんだ。

そして三つ目は、微生物だけで何とかしようとすること。ここが一番もったいない。微生物は万能ではないんだよ。水はけが悪い、踏み固めで土が硬い、有機物の質が悪い。そういった物理的な問題を放置したまま微生物資材頼みになっても、うまくいかないんだ

ポイント

  • 微生物資材に速効性を求めない(土の中でゆっくり環境を整えるもの)
  • 特定の菌だけを増やそうとしない(何よりも全体のバランスが大切)
  • 微生物だけで解決しようとしない(水はけや土の硬さなど物理的な問題の改善が前提)

土づくりで最優先なのは「物理性」

つまり、環境が先ということなんですね。

そう、絶対に先だね。良い土の条件には、生物性、化学性、物理性があるんだけど、その中でも僕が一番大事だと思うのは物理性なんだ。

そこは意外でした。カルスの話を聞いていると、生物性が一番大事なのかな、と感じていました。

そう思うよね。でも優先順位をつけるなら、僕は一位が物理性、二位が生物性、三位が化学性だと思っている。水がたまりやすい土では嫌気的、つまり酸素が少ない状態になりやすいし、踏み固められたガチガチの土では酸素が足りない。そういう場所で微生物を増やそうとしても、増える微生物は限られてしまうし、微生物そのものが働きにくいんだよ。

だから土づくりは、排水性、通気性、踏み固めすぎないこと、有機物の量や種類を見ていくこと、そういう積み重ねがあって、初めて微生物が安定して働いてくれるということなんだ。

逆に言うと、そこさえ整えば、微生物は結果として増えてくれるわけですか。

おお、鋭いね!無理に増やそうとしなくても、結果として増えてくれるし、しかもバランスが整っているから、悪い菌が暴れにくくなる可能性が高くなる

微生物資材を使うとしても、まずは環境を整えよう。物理性を整えることが最優先。この視点を持つと、微生物との付き合い方が必ず変わってくるよ。

微生物は味方でも敵でもなく、環境次第

僕の中では「微生物は味方」というイメージが強かったんです。でも今回の話を聞くと、敵でも味方でもなくて、環境次第でどちらにもなりうる存在なんですね。

そうなんだよ。だから最後に一つ覚えておいてほしいのは、土づくりは、微生物が無理なく働ける環境を積み重ねることが大事だということ。これが分かっていれば、有機物でも微生物資材でも、大きく失敗することはかなり減ってくるよ。

今日のまとめ

今回のポイントをまとめよう。一つ目は、有機物は良い悪いで決まるわけではないということ。大事なのは、今その土にいる微生物が、その有機物の量を受け止められるかどうかなんだ。微生物にとってキャパオーバーであれば、有機物の入れすぎはやっぱり良くない。

二つ目は、微生物はいるかどうかではないということ。分解を無理なく安定して進められる微生物層が育っているかどうか、そこがポイントなんだ

そして三つ目は、土づくりで一番大事なのは物理性の改善だということ。排水性、通気性、そして有機物の量と質。この環境を整えた結果として、微生物はちょうどよく働いてくれるんだよ。

微生物を増やすことばかり考えていたんですけど、それよりもまず、土の環境をきちんと整えていくことが本当に大事なんですね。

その通り。土づくりは焦らず、積み重ねが大事。今回の考え方をベースにしてもらえれば、大きく失敗することは減ってくるはずだよ。

このYouTubeチャンネル「隼斗の土づくり教室」では栽培における土づくりの重要性や、農業関係者の方にも分かりやすい内容をお届けしています。皆さんの栽培におけるお悩みごと、それを解決できる一助になれば幸いです。それではまた次回の動画でお会いしましょう。

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