トピックス&コラム

土壌中の発酵と腐植

今回は1990年(平成2年)8月に開催された国際会議 出展における弊社事業紹介の文書を原文のまま

掲載します。なお、本文書は初代創業者 飯川綜二による執筆となりますことを予めご承知おきください。

「 自然エネルギー農法とは・・・ 」

展示した嫌気性複合微生物は、酸素を消費しない発酵タイプの生物系土壌改良資材です。低温発酵に加えて

酸素を発生させ、様々な粗大有機物および作土の集積塩類からエネルギーをとりこみ、新しい代謝物質を作

り出す生合成は、良好に作物の生育を促し発病抑制型の環境(特に根圏層)を醸成するものがあります。

嫌気性複合微生物による土壌中の粗大有機物が発酵分解し生成される腐植とは、作土を培地として有機物・

無機塩を100%再生産のエネルギーに循環させる “生態系のバイオマス” で土に生命力を与える手法です。

この発酵と腐植は、根圏における発酵の化学エネルギーを作物に直接作用させ、有用なエネルギーに置換し

また、積極的に圃場の野生菌と共存して、微生物特有の不均一性増殖をさせながら生物的バランスを適正に

保ち、不活性になっている物質を有効な養分に循環することで土壌浄化を促します。作物が吸収できる低い

エネルギー系としてとりこまれ、自然に生態系の修復効果を上げます。

施用歴14余年にわたる、他に例のない本資材の事例は一般の農業技術を省エネとし、有機農業・自然農法

などでは大幅な省力となり、かつ、生産性を一層促進するものとなります。

作物と地力を同時につくる 「自然エネルギー」 の活用は、人々のエネルギーを省力し、省資源農法として

化学物依存の農業を大きく改善します。その結果、これに起因する障害要素を自然に解消するほか、収穫物

の質と収量・保存性を向上させます。また、低農薬および無農薬化を容易にし生産者・消費者の健康と食の

安全性に加えて、土と大気の環境汚染の発生を未然に解消できます。これまでの農業と畜産において、気づ

かれなかった損失を資源化することに、本資材特有の微生物的特徴をみることができます。

1990年8月  第5回   国際腐植物質学会  国際会議   〔 名古屋市 愛知産業貿易館 〕

         第14回  国際土壌科学会議   同 上     〔 京都市 国立京都国際会館 〕

 以 上

今からおよそ33年も前の文書ではありますが、何かの参考になればと思い披露させていただきました。

入社して間もない頃の参加だったので、来客された諸外国人との会話に大変苦労したのを覚えています。

※当文書はその時代背景を受けての執筆なので、そぐわない箇所については悪しからずご了承ください。