トピックス&コラム

生モミガラとカルス菌 < 完 >

生のモミガラと カルス NC-R は、相性が非常に良く使いやすい有機物(堆肥の材料)である

ことを理解していただけたと思いますが、最後はいくつか失敗した事例を披露しておきます。

① 石川県 七尾市 小松菜 栽培〔 雨よけハウス 〕

300坪あたり規定量の カルス NC-R と生モミガラを1000kg近く投入したが、炭素率

<C/N比> 調整の硫安(窒素)は使用せず。多めの米ヌカと基肥は通常どおりの施肥を行う。

⇒均一に発芽はしたものの2週間たった頃から みるみるうちに黄色くなり枯死してしまった。

 カルス NC-R の菌が土の中で分解すればするほど小松菜の肥料が吸収されたように感じた。

② 石川県 松任市 <現在の白山市> 梨 栽培

規定量の生モミガラと カルス NC-R を組み合わせ、秋の礼肥時と一緒に土作りとして使用。

梨(果樹)には硫安の使用がとても怖かったが、米ヌカ代替の窒素で補えると思い直接散布。

⇒使用してから3~4週間たって、葉色が赤くなり始め窒素欠乏の症状が出始め驚いたので、

 すぐに硫安を水に溶いて梨園全体にまんべんなく潅水して窒素肥料を後から追加補充した。

③ 静岡県 函南町 イチゴ栽培 〔 ビニールハウス 〕

生モミガラ + カルス NC-R + 米ヌカで計画してみたが、ハウス内の塩基濃度が高めなので

硫安の使用量は控え気味に使用。カルス菌 とモミガラで塩類集積の改善に期待し実施した。

⇒定植してから他のイチゴ(同品種)ハウスと比較し、生長が著しく遅い?ように感じられ

 慌てて後から硫安を追加で散布。基肥の窒素も入れてはいたが明らかに窒素不足であった。

これらの失敗事例はごく一部ですが、未熟なバーク堆肥や廃菌床などと組み合わせをした際

も、窒素不足・窒素飢餓になることがあるので十分ご注意ください。また、カルス菌 による

土中発酵は、皆様が考えている以上に窒素がとられ 作物のための窒素分まで奪われてしまい

ます。長年の経験と実績に基づきご指導していますので、不安のある方は事前に当社営業部

までご連絡いただきますようお願いいたします。ありがとうございました。  m(__)m

※ 炭素率調整は未熟有機物の種類や投入量などによって変わりますので気軽にご相談ください。