トピックス&コラム

硫 安 ~ 余 談 ~

昨日掲載した「硫安」の話題で、過去にあったエピソードを少しご紹介するので参考にしてみてください。

全国各地の生産現場を巡回していた時代の聞き取り情報で、農家さんが経験された内容をまとめています。

梨 専門の農家さんが初めて生モミガラとカルスNC-Rを使うことになったが、どうしても硫安の使用は

受け入れられずにスタートする。案の定、梨の葉は赤くなりだし窒素飢餓の症状が出たとの連絡が入る。

ただちに、規定量の硫安を水に溶き園地全体に散布して事無きを得たとの話。

ビニールハウス内の土壌は、塩類等が集積していると自己判断し硫安の使用量は事前相談もなく減量。

幸い飢餓症状にはならずに済んだが、初期生育から足を引っ張られて収量に大きなダメージを受けた。

規定量の生モミガラとカルスNC-Rをハウス内にすき込んだが硫安は一切入れずに小松菜を播種する。

しっかり発芽はしたものの2~3週間程経って、みるみるうちに葉色は全部黄色になり枯れてしまった。

投入した生モミガラの量に対し規定量以上の硫安を敢えて使ってみたが、窒素過多の症状はまったく

みられず、むしろ生育や樹勢は非常に順調で玉つきの具合も良く収量アップ(増収効果)につながった。

炭素率調整のための硫安とはいえ、一緒に使用すれば品質低下・食味ダウンになると心配していたが

結果は正反対で糖度アップ・鮮度保持・品質向上など収穫物をチェックして不安な思いは払拭された。

大量のモミガラを分解させるのには相当量の窒素が必要と説明を受けたが、硫安は有機系窒素肥料と

比べると実に安価で経済的にも助かる。そして、何より “ガス発生” にもならず安心して使用できる。

①・②・③は失敗例で④・⑤・⑥は成功例です。生モミガラを入れること事態にあまり抵抗を感じなく

ても、硫安を基肥とは別に使用することへの不安感はかなり強いようで、窒素過剰に拒絶反応を示され

失敗した方は数多くいます。皆様が考えている以上に カルス菌 は窒素(硫安)を消費しているのです。

先人の知恵と経験を活かした硫安の処方箋、、、今一度 貴方の圃場で試してはいかがでしょうか?!